<書評>もっとことばに出そう!自分の気持ち(森田汐生)
森田汐生さんの『もっとことばに出そう!自分の気持ち』という本を読んでいて、そうだよねーと思うことがあったので書き残しておきます。
人からお願いされた時、断るのが苦手
僕は人からお願いごとをされると、ついつい断りきれずにOKしちゃうことが多いんですよね。
友達に飲み会に誘われた時にも、「なんか嫌だなー」と思いながら、「行けたら行く」なんて中途半端な返事をしてしまいます。
でも約束の日が近づいてくるとやっぱり気乗りがしなくて、結局ドタキャンみたいなことになってしまう。「だったら最初から断ってくれればよかったのに。。」なんて、よけいに相手の期待を裏切ってしまうことになります。この性格は周りにも迷惑をかけるし、自分にとってもマイナスでしかありません。
森田汐生さんの『もっとことばに出そう!自分の気持ち』には、こんな性格が「ウルウル」として解説されています。
ウルウルになってしまうときって 、案外気づかないものです 。それは相手への 「思いやり 」という仮面を被って表れてくるからです 。相手を思いやるあまり 、その場で 「いい人 」を演じてしまうことは誰しもあります 。しかし 、相手側に立ってみると 、必ずしもいいとは限りません 。
(中略)
私がはっきり 「ノ ー 」を言えなかったころ 、私自身は相手の気持ちを傷つけたくないからそうするのだと信じていました 。しかし 、実際は 「ノ ー 」と言って相手に嫌われたり 、人間関係がまずくなったりすることを怖れて 、本当の気持ちにウソをついていたのです 。このことに気づいたときはショックでした 。
そうなんですよね。「期待を裏切っちゃうんじゃないかな」、「嫌われるんじゃないかな」って怖がる気持ちがあるから、頭ではわかっていても、なかなかやめることができないんです。
そんなときの解決方法を『もっとことばに出そう!自分の気持ち』から紹介します。
「はい 」と応えるクセから抜けよう
ひとつ目は、その場で答えを出さず、「迷っている」という気持ちを素直に伝える方法です。
さて 、相手の誘いを断れないウルウルが 、反射的に 「はい 」と言うクセから抜ける方法があります 。それは 、 「イエス 」 「ノ ー 」と言う以外の 「第三の答え方 」 。その場で答えを出さずに 、 「今はよくわからない 」 「迷ってるの 」と言う方法です 。
こうして時間を置いて、自分は本当にこのお願いを受けたいのか、受けて(時間的や体力的な面でも)大丈夫なのかをゆっくり考えれば、より良い判断をすることができます。
また時間を置いて回答する方が、いざ断る場合にも心理的なハードルが低いという利点もあります。
イヤな理由を具体的に話す
二つ目は、何が嫌なのかを的を絞って伝えるという方法です。
イヤな理由を具体的に話す相手の誘いや仕事の依頼に対して 、どうしても気が進まないとき 、何に対してイヤだと感じているのか 、対象をはっきりさせましょう 。これは 、その後の交渉にスム ーズに移る大事なポイントとなります 。
こうすることで、なぜ断られたのかの納得感が得られやすいため、相手が気を悪くする心配も小さくなります。
また、断ることによってお互いに譲歩する必要が生じる場合にも、空中戦にならずに的確な解決策を探ることができます。
相手の頼み方にカチンときたら
三つ目は、相手の頼み方が気にくわない、そんな場合の解決方法です。この場合も、嫌だと感じる点を具体的に伝えることが重要です。
「やるのが当たり前という 、ぞんざいな口調で頼まれるのがイヤなの 。せめて 、よろしくとか 、ありがとうという一言があれば 、私も気持ちよく引き受けられるの 」 「やらないあなたがダメという言い方に傷つくの 。そんな一方的な言い方ではなく 、もっと話し合う姿勢で頼んでほしいのに 」
ここまで言うことができれば、人のお願いを断りにくいなんて悩むことはなくなりそうです。
もっとも、上記のような内容を感情的にならずに伝えるには、高度なアサーティブコミュニケーションの力が求められますが。。
自分にとっても周りの人にとっても気持ちよく断ることができるよう、自分の気持ちはしっかり伝えられるようになりたいですね。
今回の記事で紹介した書籍