【僕が退社を決めた理由③】嘘をついて生きなくてはならない
今年の10月に発覚した神戸製鋼の品質データ改ざん問題。
「納期のプレッシャーがあった」という弁明に、非難の声が上がっています。
もちろん、顧客を欺くデータ改ざんなどあってはならないことです。
、、、でもね、僕はこのニュースを見たとき、まったく他人事に思えなかったんです。
いやもちろん、僕は改ざんなんてしてないですよ。だけど、じゃあ仕事において何の嘘偽りも無く誠実に取り組んできたのか聞かれると、決してイエスとは言い切れないです。
納期のプレッシャーは常に感じていました。プロジェクトマネージャーに「終わったのか?」と問われたら、実際はまだまだなのに「終わりました」と答え、深夜残業で帳尻をあわせる。そんなことは良くありました。
結局朝になっても終わらず、苦し紛れの言い訳を捻り出して切り抜けたこともあります。
自分のタスクで一杯一杯になって、大きな問題を「見て見ぬ振り」してしまったこともありました。
そんな社会人生活を送ってきたため、もし自分が神戸製鋼の社員だったら、同じことはしないと言い切れるか?と問われると、答えに窮します。
「こうしないと納期に間に合わない」と言われたら?
「これまでもこうして来たから今回も大丈夫」と言われたら?
とてもノーと言い切る自信は僕にはありません。
またその一方で、そんな自分がとてつもなく嫌いでもあります。
外から見ている時には明らかにおかしいと思う。でもいざその現場に飛び込むと、いつのまにか同じ過ちを犯してしまう。
納期のプレッシャーには恐ろしい力があります。
お前が不誠実なだけだ。仕事の効率が悪いだけだ。
そんな批判も当たっている面はあると思います。
自分でもそう思って、仕事の進め方を改善しようと様々な努力をしました。
ですが、仕事のスピードが上がっても、その分仕事は増え、結局納期に追われ、僕の悩みは一向に消えませんでした。
そしてこれは、サラリーマンを続ける以上、どこまでいってもついて回る悩みだと気づきました。
ひょっとすると、多くの人には気にならない悩みなのかも知れません。
「それが働くってことだよ」
「大人になれよ」
そんな声も聞こえてきます。
でも他人がどうであれ、僕は嫌なのです。
自分に対しても他人に対しても、嘘をつくような働き方はしたくない。それがサラリーマンでは実現できないのなら、サラリーマンではない働き方を目指します。
そのため、僕は退社することにしました。